デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲
長年何かと敬遠していたモーツァルト作品にも本腰を入れようとレパートリーを何にしようかいろいろ探していたところ、変奏曲集の楽譜に目が留まりました。普段は何かとソナタ集中心に取り組みがちですが、変奏曲集も素晴らしい曲がたくさんあります。そのなかで当方は小学6年生の頃にデュポールのメヌエットによる9つの変奏曲を勉強しました。
当時、ベーレンライター原典版という楽譜を使用したのですが、何と楽譜にはほとんど記号が書かれておらず、演奏するのに重要な指使いは自分で書き込んで勉強しなければなりませんでした。このように音符以外ほとんど書き込まれていない楽譜で勉強するのはこの時はじめてであり、苦労して自分で書き込んだ指使いがこのとおりです。
それまでは楽譜に強弱記号や指使いが丁寧に描かれていたので自分でろくに考える事もなく楽して弾いていたものが、この頃から幼いながらも作曲家の意図を少しずつ考え、音楽の構成をしっかりとさせて弾けるようになってからは、曲の仕上がりが格段に速くなった覚えがあります。が、この曲に関しては指使い以外の面でもシンプルであるが故の難題に差し掛かり、相当手こずったのでした。
まず、装飾音のバランスが悪すぎる点、モーツァルトは装飾音なしでは語れません。音の粒はそろわない、しかも数を正確に入れようとすると音にムラが生ずる、装飾音だけでどのくらいの時間がかかった事か、それまでのベートーヴェンやショパンの演奏のほうがよほど楽でした。次に、アーティキュレーション(フレーズ等)の下手さ、当時のリコーダーにおけるタンギングの下手さがモーツァルト作品で露呈する結果となり、音楽がなかなか繋がらなかったのです。
第7変奏では遂に×印の烙印を押されてしまい…
この曲では(他でもありましたが)師匠の堪忍袋の緒が切れ、一通り暗譜したところで曲は打ち切りとなってしまったのでしたが、
「将来、真の大人になった時にもう一度弾いてみなさい」
という唯一の救いのお言葉をいただいたものの、なかなか取り組むことなく長~い月日が流れ…。
時は過ぎて先日(真の大人になったかどうかは不明として)弾いてみたところ、やはり当時とは違い楽しくスムーズに弾かせてもらっていますが、難しいと思うところは当時と変わったいませんでした。しかし、難しいところにも「何故?」という思いで弾くのが楽しくて、謎解きをしていく気持ちで取り組めるようになったのは成長した証なのかもしれません。
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